こんにちは。
兵庫県西宮市の歯医者、西宮北口なかつじ矯正・小児歯科院長の中逵敬太です。

このブログでは、お子さまのお口の健康や歯並びについて、保護者の皆さまに分かりやすくお伝えしていきます。

「子どもの歯並びが気になるけれど、まだ乳歯だから様子を見てもいいのかな?」
「矯正は永久歯が全部生えてから始めるもの?」
このようなご相談を保護者の方からよくいただきます。
実は、子どもの矯正治療は”早く始めればいい”というものではありません。
一方で、成長期だからこそできる治療があり、そのタイミングを逃してしまうと治療の選択肢が限られるケースもあります。
今回は、子どもの矯正を始める適切な時期や、歯並び別の開始時期について詳しく解説します。
【子どもの矯正には「成長を利用できる」という大きなメリットがあります】
大人の矯正は歯を動かして歯並びを整える治療が中心です。
一方、子どもの矯正では歯を並べるだけではなく、
- あごの成長をコントロールする
- 永久歯が生えるスペースを確保する
- 正しい噛み合わせへ導く
- 将来の抜歯や外科矯正の可能性を減らす
といった、成長期にしかできない治療が可能です。
そのため、お子さまの歯並びが気になったら、「まだ早いかな」と考えるのではなく、一度相談を受けることをおすすめします。
【子どもが矯正治療を始める時期には3段階あります】

子どもの矯正治療は、成長に合わせて「予防矯正」「一期治療」と「二期治療」の3つに分けられます。
①予防矯正(6歳頃まで)

全て乳歯の時期から一期治療開始までの期間に行う治療です。
・お口ポカン(口唇閉鎖不全)
・舌の癖(舌突出癖)
・指吸いによる出っ歯(上顎前突)
・受け口(下顎前突)
・深いかみ合わせ(過蓋咬合)

正常な乳歯列では見られないはずの、将来大人の歯に生え変わるにつれて悪影響を及ぼすような悪い癖を早い段階で改善するための矯正治療です。
最近ではプレオルソやマイオブレースのような夜寝るとき(日中に+1時間使用)に使用する機能的矯正装置と呼ばれるものを使用します。
ただし、これらの装置だけではガタガタした見た目が一時的に無くなっても、永久歯に生え変わったときの奥歯のかみ合わせの位置や骨格的な問題が必ずしも改善しているわけではありません。
そのため、必要に応じて一期矯正や二期矯正で全体のかみ合わせを完成させる必要があります。
②一期治療(6〜12歳頃)

乳歯と永久歯が混ざっている「混合歯列期」に行う治療です。
一般的には、
- 前歯4本ずつが永久歯に生え変わる
- 6歳臼歯(第一大臼歯)が生えている
この頃から治療を開始することが多くなります。
一期治療の目的は、
- あごの成長をコントロールする
- 永久歯が並ぶスペースを作る
- 出っ歯や受け口など骨格の改善を行う
- 永久歯へのスムーズな生え変わりを促す
一般的な装置としては、ブラケット装置やマウスピース型装置(インビザラインファーストなど)で治療を行います。
一期治療が終わった後は、永久歯が生え揃うまで経過観察を行います。
▼当院の一期矯正治療についてはこちら▼
https://nakatsuji-ortho-pedodontic.net/pediatric_ortho/
③二期治療(12歳頃以降)

永久歯がすべて生え揃った後に行う、本格的な矯正治療です。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザラインなど)を用いて、すべての永久歯を理想的な位置へ並べていきます。
この時期になると成長はほぼ終了しているため、歯並びや噛み合わせを正確に整えることができます。
ただし、骨格的な問題が大きい場合には、成長を利用した治療ができないため、成人後に外科矯正が必要になるケースもあります。
そのため、骨格的な異常が疑われる場合は、一期治療から介入することがとても重要です。
【子どもの矯正治療で得られるメリット】
成長期に矯正を行うことで、次のようなメリットがあります。
- あごのバランスを整えられる
- 永久歯がきれいに並ぶスペースを作れる
- 抜歯の可能性を減らせる
- 将来の外科矯正を回避できる可能性がある
- 噛み合わせが改善する
- 発音や鼻呼吸の改善につながることがある
- 将来の本格矯正をよりスムーズに行える
当院では側面セファロレントゲンを撮影し、お子さまの年齢ごとの標準的な骨格と比較しながら診断を行っています。
見た目だけでは分からない骨格の成長状態まで確認できるため、適切な開始時期をご提案できます。
【歯並び別にみる矯正開始時期】
「何歳から始めるのがベストですか?」という質問には、一人ひとり歯並びが違うため明確な年齢だけではお答えできません。
ここでは代表的な歯並びごとの目安をご紹介します。
〈ガタガタ(叢生)の場合〉
開始時期の目安
6〜8歳頃
上下の前歯4本ずつと6歳臼歯が生え揃った頃が目安です。
ガタガタの原因の多くは、
「あごの大きさに対して永久歯が大きい」
ことです。

この時期にあごを広げたり、永久歯が並ぶスペースを確保したりすることで、将来的な抜歯を避けられる可能性があります。
〈出っ歯(上顎前突)の場合〉

開始時期の目安
8〜10歳頃
出っ歯には
- 歯だけが前に出ているタイプ
- 骨格的に下あごが小さいタイプ
があります。

骨格が原因の場合は、下あごの成長を利用できる時期に治療を始めることが重要です。
下あごは思春期に大きく成長するため、その成長を利用することで上下のあごのバランスを改善できる可能性があります。
〈受け口(反対咬合・下顎前突)の場合〉

開始時期の目安
6〜8歳頃(できるだけ早め)
受け口は早期治療が最も重要な歯並びの一つです。
骨格的な受け口では、
- 上あごの成長不足
- 下あごの過成長
が原因となることが多くあります。
上あごは6〜8歳頃に最も成長するため、この時期に上顎前方牽引装置などを用いて成長を促すことで、将来の大きな骨格のずれを改善できる可能性があります。

逆に、この時期を逃してしまうと、思春期以降は上あごの成長を促すことが難しくなり、成人後に外科矯正が必要となるケースもあります。
【乳歯の時期でも相談した方がよいケース】
「乳歯だからまだ様子を見よう」と考える方も多いですが、次のような症状がある場合は早めの相談をおすすめします。
- 前歯が反対に噛んでいる
- 前歯が大きく前へ出ている
- 口がいつも開いている
- 指しゃぶりや舌癖が続いている
- 左右どちらかだけで噛んでいる
- 永久歯が変な場所から生えてきた
- 歯がなかなか生えてこない
これらは歯並びだけでなく、あごの成長にも影響する可能性があります。
【矯正は「始める時期」がとても重要です】
子どもの矯正は、早ければ良いわけでも、永久歯がすべて生えてから始めれば良いわけでもありません。
お子さま一人ひとりで、
- 成長のスピード
- 骨格
- 歯の大きさ
- 生え変わりのタイミング
が異なるため、最適な開始時期も変わります。
そのため、「今すぐ治療が必要か」「もう少し様子を見てよいか」を判断するためにも、一度専門的な診断を受けることが大切です。
【まとめ】
子どもの矯正治療は、成長を利用できる大切な時期だからこそ、大人の矯正では得られない多くのメリットがあります。
特に、受け口や出っ歯など骨格に関わる問題は、適切なタイミングで治療を開始することで、将来の抜歯や外科矯正を避けられる可能性があります。
一方で、すべてのお子さまがすぐに矯正を始める必要があるわけではありません。大切なのは、お子さまの成長や歯並びを正しく診断し、「最も効果的なタイミング」を見極めることです。

当院では、成長予測やレントゲン分析をもとに、お子さま一人ひとりに合わせた治療開始時期をご提案しています。
「今相談した方がいいのかな?」と迷われている方も、お気軽にご相談ください。
なかつじ矯正・小児歯科
Tel:0798-65-6333
Web予約:http://www.haisyano489.ne.jp/nakatsuji/



